エクステンション・チューブでお手軽マクロ撮影 [カメラ]
Canon純正エクステンション・チューブ,「EF25-2」。対応レンズはメーカーのサイトで確認されたい。 |
去年から,ベランダで育ててる植物の小さな花とか,そこにやってくる小さな虫などを写真に収めたいと思っていた。しかし,当たり前だが,小さいものは小さくしか写らない。18-200mmの望遠レンズで拡大は出来るが,近くに寄れないので,それなりの大きさにしかならない。こういうものを撮るにはマクロ・レンズというものが必要なようだ。物欲がふつふつと湧いてきたものの,マクロ・レンズは結構高い。Canonの純正品で,等倍撮影(CCDに現物を同じサイズで投影できるという意味らしい)出来るものは,手持ちの一眼レフ・カメラの購入価格よりも高価なのだ。買えないほどではないのだが,それだけ投資して有効活用できるかという点が気掛かり。また,高倍率になるため,手ブレにもシビアということで,三脚を使った撮影が基本とのこと。三脚は持ってるけど,面倒でほとんど持ち歩くことがない私にとって,実際に使う場面がどれだけあるかは疑問である。そんな訳で手をこまねいていたのである。
ところが,先日たまたま,「エクステンション・チューブ」なるものの存在を知った。これは言うなれば,ただの筒。これを,レンズとカメラ本体の間に挟み込むことで,レンズからCCDまでの距離を伸ばし,投影される像を大きくする,という原理のパーツである(多分)。これにより,普通のレンズをマクロ・レンズもどきとして使えるようになるというのだ。しかも,ただの筒(といっても,純正品はレンズと本体を繋ぐ回路が組み込まれているが)なので価格が安い。Canonの純正品には,EF12とEF25の2種類あって,より大きく映せるEF25で実売1万円ちょっと。手持ちの18-55mmのレンズと組み合わせると,なんと最大等倍で映せるようになるとのこと。マクロ撮影を試してみるにはお手頃だ。というわけで,即購入した。
届いたのは,本当に「筒」。でも,両端にちゃんとキャップが付いていて,ソフト・ケースまでセットになっている。こういうところは,さすがに純正品という感じだ。18-55mmのレンズに繋げてみると,当然全体としては長くなるが,不格好ということもない。
取り敢えず,カメラに取り付けて,手近なもので試し撮りをしてみた。しかし,なんだか焦点が合わない。オート・フォーカス(AF)も動作するようなのだが,焦点が合わずに行ったり来たりしている。マニュアル・フォーカス(MF)で試してみると,そもそも広角側ではどうにも焦点が合わないことが分かった。望遠端なら合うのだが,それでもかなり対象物に近付かないとダメ。AFがうまくいかないのは一緒。マクロってこういうものなんだろうか。調べてみたところ,マクロではMFを使うのが当たり前に近いようだ。う~む,MFってあんまり得意じゃないんだよね。
さらに驚いたのは,被写界深度の浅さ。対象物は数センチ程度の大きさなのだが,焦点を合わせた位置より前後に少しずれた部分はもうボケてしまっている。マクロってこういうもの? マクロ・レンズを使ったことがないので,どのくらい違うものかは分からないが,やはり被写界深度は浅くなるもののようだ。では,全体をボケずに撮るにはどうすれば? 結局,出来るだけ対象から離れ,絞りを上げて撮影するしかないようだ。とはいえ,離れると写りが小さくなってしまうし,あまり絞りすぎると不鮮明になるらしいので,ここがまた難しい。そして,手ブレというよりも,ピントを合わせてからカメラが少しでも動くと,それでボケてしまうので,やはり三脚は必須。マクロ撮影は思っていたより難しい。
それでも,バッチリ決まった時の写真はなかなか感動モノである。いつも見ているものが,全く別物に見える感じ。これはちょっと癖になる。外に持ち出さなくても,ベランダにいろいろ被写体があるので,しばらく楽しめそうだ。そのうち,ちゃんとしたマクロ・レンズが欲しくなってしまうのかもしれないが。
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