バジルを食い荒らすフキノメイガ [園芸]
朝,いつものようにベランダのプランターに水をやりに出てびっくり。バジルの葉が虫食いだらけなのだ。これは一体どういうこと?
実は,以前から,別の鉢のバジルの葉が虫に食われているようになっていることがあった。しかし,犯人らしきものも特に見当たらない。その後,別のプランターで,新しくバジルの栽培を始めたが,そちらでは何事もなかったので,病気か何かなのかと思っていた。ところが,数日前からちょっと怪しい予兆があった。葉の上に,細かい黒い土の塊のようなものが,たくさん乗っていたのだ。それ自体は,虫のような生命体ではなさそう。ということは,何かの糞か? しかし,糞の主が何ものかが分からない。まだ特に実害もなかったので,放って置いたのがいけなかった。
この葉の喰われ方を見ると,どう考えても,通りすがりで食い荒らしていった跡ではなさそう。この株に取り付いて,片っ端から喰っているように見える。とすれば,やはり何か芋虫のようなやつに違いない。それなら,黒い糞が落ちていたことも説明が付く。おそらく,数日前から虫食いはあったのに,まだそれほど目立たなかったということなのだろう。なんたる不覚。
こうなっては,もはや見過ごす訳にはいかない。徹底的にチェックすることにした。すると,葉の縁が,不自然にくるんと丸まっているところがある。裏を返してみると,蜘蛛の糸のようなもので,丸まったところが固定されている。糸を剥がして,丸まったところを広げてみると...いた! 細長い芋虫。長さは1.5~2cmくらいだろうか。葉の丸まった中に,さらに薄い蚕のサナギのような巣を作って,中に潜んでいた。ピンセットでつまみ上げようとすると,意外に動きが速い。それでもなんとか捕獲して駆除。こいつが,大事なバジルの葉を勝手に喰い漁ってたのか。怒りが沸々とこみ上げてくる。
まさか1匹だけではあるまいと,さらに1枚1枚の葉を丹念にチェックしていくと,同じように葉の縁が丸まっているところがいくつも見つかった。そして,中にはしっかり芋虫が。結局,30分ほどで10匹ほどを駆除。隣に植えてあった,ミントに取り付いてるやつまでいた。こんなにいたら,植物はたまらんな。まぁ,変な病気よりは質がいいのかも知れないが。見つけ方のコツもだんだん分かってきたので,次は糞を見つけたらすぐ駆除できるだろう。100匹も200匹もいる訳じゃないから,アブラムシ退治よりはだいぶ楽である。
ところでこの芋虫,調べてみたところ,フキノメイガという蛾の幼虫らしい。バジルだけでなく,様々な野菜を食い荒らす害虫なのだそうだ。バジルの場合は,やはり黒い糞で気が付く人が多いようだ。かなり食欲旺盛で貪欲な幼虫のようなので,バジルを育てている人は,この時期要注意である。
キンシバイとビヨウヤナギ [園芸]
キンシバイ? 実はタイリンキンシバイらしい |
いつものランニング・コースの遊歩道脇に,ツツジが終わった頃から,急速に勢力を拡大して,葉を繁茂させている植物があった。蕾もたくさん付いていて,一体どんな花が咲くのだろうと楽しみにしていたのだが,先週末にそれが判明した。鮮やかな黄色の花。さて,これはなんという名前の花なのだろう。
私が花の名前を調べるのに使っているのは,iOS用の有料アプリ,「花しらべ」だ。画像認識検索ができるという触れ込みなのだが,お世辞にも精度が高いとはいえない。それより,色や何やらで条件検索する方が普通に便利。一覧表示の画像を,もう少し大きくしてくれると有難いのだが。
ともあれ,これで黄色い花を検索してみたところ,まさにこれ,という画像が見つかった。花名は「キンシバイ」。しかし,Webで「キンシバイ」を検索してみると,ちょっとややこしいことが分かった。キンシバイによく似た,「ビヨウヤナギ」という花があるそうなのだ。どちらもオトギリソウ科オトギリソウ属の植物なので,分類上も近い。ではどうやって見分けるかというと,ビヨウヤナギの方は,多数の長いオシベが特徴とのこと。キンシバイは「金糸梅」と書き,黄色いオシベが金の糸のように見えることからその名が付いたそうだが,どちらかと言えば,ビヨウヤナギの方が金糸っぽい。また,花びらの開き方も,ビヨウヤナギのほうが豪快なように見える。
ビヨウヤナギ? ではなくてセイヨウキンシバイらしい |
その見分け方だと,右の上の写真はやっぱりキンシバイ? 別の所で撮った写真(右の中)には,オシベの長いものが写っていたので,これはビヨウヤナギ? しかし,さらに調べを進めていくと,もっとややこしいことが分かった。キンシバイよりもビヨウヤナギによく似た,「セイヨウキンシバイ」という種類があるそうなのだ。こちらはオシベも長いらしい。ではどうやって見分ければよいのだろう。
引き続き,情報を収集してみたところ,オシベの付き方が違うらしいことが分かった。しかし,そこまで細密には撮っていなかったので,写真からは分からない。もうちょっと大雑把な見分け方には,セイヨウキンシバイのほうがオシベの本数が多めで,まっすぐ伸びている,というものもあった。ビヨウヤナギのオシベは,緩やかにカーブしているらしい。これで行くと,右の中の写真は,セイヨウキンシバイの可能性が高い。
で,こちらがビヨウヤナギらしい |
一応,3種類の見分け方が分かった気がしてきたので,その観点で他の写真もチェックしてみたところ,偶然にも,1枚だけビヨウヤナギっぽい写真が撮れていたことが判明。結構,混ざって植えられていたりするのだろうか。確かに,オシベがカールしている。花びらの開き方は,セイヨウキンシバイより更に豪快で,反対側にそっくり返ってしまうようだ。
さて,これで一件落着...かと思いきや,更に続きがある。キンシバイには,花の大きな,タイリンキンシバイという園芸品種があるというのだ。そして,どうも一番上の写真は,そのタイリンキンシバイらしい。
考えてみれば,梅の花に似てるから「金糸梅」と名付けられたはずなのに,一番上の花は梅にしては大きすぎる。これを見て,梅に例えるのは無理がありそうだ。キンシバイはもっと小さな花で,これはタイリンキンシバイなのだとしたら納得も行く。なるほどねぇ。
花の名前なんて,気にしなければどうでもいいことだし,ちょっと前までは自分もそうだったのだが,興味を持ち始めると,なかなかに奥が深い。他にも,見分けるのが難しい植物はいろいろあるので,生半可な知識で知ったかぶりをすると,恥をかくこともありそう。ま,その都度勉強しつつ,謙虚さを忘れずに,ってことかな。
アブラムシにミント水 [園芸]
先日,Twitterでも呟いたように,最近,園芸を始めてみた。なんて言うと大袈裟だが,所謂ベランダ菜園程度のものだ。とは言え,何しろ初めて。失敗してもショックが大きくないように,まずは少しずつ...と思っていたのだが,ホームセンターに行ったら,あれもこれも欲しくなって,結局,10種ほどの苗と種を購入。プランター2つに,鉢3つ分になってしまった。
ちょっと多過ぎるかと思いつつも,この時点では,水さえちゃんとやってれば大丈夫,くらいにしか考えてなかった。実際,しばらくはどれもまずまずの成長ぶり。しかし,ここへ来て問題が発生した。
それは,グリーン・カーテンを作ろうと思って買ってきた,オカワカメで発生した。オカワカメはつる植物で,葉を茹でると,わかめのような食感で美味しいらしい。丈夫で手間もかからず,ビールのつまみに最高なんだとか。少し前のTBS「はなまるマーケット」で見て以来,気になっていたのである。カーテンにするには,1株じゃ足らないだろうと,3株をプランターに並べて植え,1.5mの支柱を立てた。最初こそ,ちゃんと育つのか心配していたのだが,つるが伸び始めてからの成長ぶりは目を見張るほどで,2週間も経たない内に,もう1mほどの高さに到達してしまった。
それは良かったのだが,ある朝,いつものように水をやっていると,葉に小さい粒のようなものが載っているのが目についた。アブラムシである。なんと,オカワカメにアブラムシが! もしやと思って,他の葉もチェックしてみると,大量というほどではないが,結構いる。放っておくと,すごい勢いで増えてしまうらしいし,植物を枯らしてしまうというので,早速駆除を開始。
しかし,小さいので取りにくい。何かいい手はないかと調べてみたところ,セロテープが便利だという情報を見つけた。試してみると,確かにこれがなかなか効率的だ。アブラムシにはくっつくが,葉にはあまり付かないので,ペタペタやると,まだ小さいヤツでも簡単に取れる。取り敢えず,目に入った分は全て取り除いた。
その後,ちょうど隣のプランターのナスに花が咲いていたので,それを写真に撮って,PCで見てみたところ,なんだかゴミのようなものがたくさん写り込んでる。...って,これもアブラムシなのでは? ギョッとして,慌てて確認しに戻ると,ナスの花と言わず葉と言わず,アブラムシだらけ! どうも,ナスがアブラムシを呼び寄せたようだ。そこから隣のオカワカメに移動したのだろう。再び駆除を開始。しかし,ナスの葉なんて,毎日見ていたはずなのに,何故気が付かなかったのだろう。今となっては謎である。
一応,見つけた分は全て取り除いたものの,一匹でも見落としていれば,また増えてしまうかもしれない。何か対策はないものだろうか。オカワカメにしろナスにしろ,食べるものなので,出来れば農薬の類は使いたくない。Webで検索してみると,アブラムシに困っている人はたくさんいるようで,対策もいろいろ紹介されている。
一番多かったのは,牛乳を薄めてスプレーすると効く,というもの。牛乳の粒子が詰まって,アブラムシが窒息死するのだそうだ。但し,そのまま放っておくと,牛乳が腐って臭くなるというデメリットも。想像するだけで気持ち悪いので却下。
良さそうだったのは,重曹と油を混ぜ,それを水で薄めてスプレーする方法。ただ,台所用洗剤を数滴垂らさないと効果がない,と書かれているのもあって,そこが気になるところ。洗剤は界面活性剤として必要らしい。つまり,油を乳化させるってこと? だとすると,アブラムシへの効果は,牛乳スプレーと同じ原理なのかもしれない。でも,重曹にも乳化作用があるそうなので,二重に必要な理由がよく分からない。う~む。
台所用洗剤を入れなくても効果があるのかどうか,試してみようと重曹を買ってはみたのだが,その前にもうひとつの方法を,試してみることにした。それは,ミント水のスプレーだ。どうも,アブラムシなどの虫は,ミントの匂いが嫌いらしい。ミントを一緒に植えておくと,虫が寄り付かなかったりするそうなのだ。ミントの葉を煮出した液を,薄めてスプレーするのでも効果があるらしい。早速,近所のスーパーの野菜売り場で,ペパーミントを買ってきた。余談だが,ミントにはペパーミントとスペアミントがあって,ペパーミントの方が香りが強いそうだ。匂いを嫌がるっていうのだから,ここはペパーミントで。分量がよく分からなかったが,7~8枚葉の付いてる茎を2つ,7~800ml程度の水で煮てみた。思ったより濃い色が出て,香りも強い。これを冷ましてから,少しだけスプレーに入れて,水で20倍くらいに薄める。香りはだいぶ弱くなったが,それでもまだ分かるくらいは残っている。これを,ナスの葉っぱにスプレーしてみた。
さてさて,効果はありやなしや。現在様子見中である。