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長幼の序 [言葉]

松本龍は,さっさと復興相を辞任したそうで。菅から無理矢理押しつけられたとかいう話もあるくらいだから,渡りに舟だったとか? いずれにしろ,あの男ではスムースに復興が進むわけもないし,後任も早く決まったので,良かったのではないか。

辞任後の記者会見で「言葉が足りなかったり荒かったりして」といっていたようだが,言葉が足りなかったのではなくて余分なことを言ったせいだと思うのだけどねぇ。結局何も分かってないし,反省もしてないんじゃないの? 辞任前も,血液型(B型)のせいにしてみたり,九州人・博多人のせいにしてみたりと,あちこちで顰蹙を買いまくり。聞けば,この松本龍という男,日頃から奇行が目立つというか,かなりの不思議ちゃんらしい。こんなのを大臣に選んだ時点で任命責任を(以下略)。

さらにおかしいのは,応接室に遅れて入って来た宮城県知事を叱責した件。こちらの「オルタナ」の記事にあるように,応接室に客より遅れて入るのが,宮城県庁では一般的なプロシージャだとのこと。私も最初ニュースを見た時に何か違和感を感じたのだが,これだったのだ。普通,訪問先で応接室に通されて,そこにもう先方がいることなんて確かにない。逆に,いたらびっくりするよね。っていうか,そのための応接室だろう。松本ってジジイは,何か基本的なことを勘違いしているようだ。

しかも,自衛隊なら長幼の序がどうのこうの,と説教垂れたらしいが,同じオルタナの記事によると,「部外の人と会談する時には当てはまらない」と,防衛省にも完全否定されてますな。ホント,片腹痛いわ。

ところで,一躍注目のキーワードとなった,「長幼の序」。最初字面だけ見て,「年少者は年長者を敬うべき」という意味の言葉だと思い込んでしまったが,さにあらず。「長幼の序」は,孟子の教え,「五倫」の中のひとつ。大辞林によれば,「年長者と年少者の間にある一定の秩序」という意味だそうだ。これには,年少者が年長者を敬うという一方通行ではなく,年長者は年少者を慈しむ,という意味も込められている。その後半部分に照らせば,松本龍は自らが長幼の序をわきまえていなかったことになりますな。碌にものを知らないクセに,知ったかぶって発言すると大恥をかくということだ。

ただ,前半部分「年少者が年長者を敬うこと」という部分には,大いに異論がある。そもそも,人が人を敬うことを強制するのは間違いだ。そんなことをするから,差別など様々な社会問題が生まれるのである。年齢を重ねることは,直接的には人間になんの価値も与えない。人生経験を長く積むことで,その分心が豊かになり,視野も拡がり,豊富な知識や経験に基づいて,様々な場面でよりより判断を示すことができる...ことを期待されているというだけだ。それが出来ず,ただいたずらに歳を喰っただけの人間は,尊敬には値しない。逆に言えば,真に立派な人物に対しては,年齢など関係なく,誰でも自然と尊敬の念が湧いてくるものである。歳相応の敬意を払われていないと文句をいう前に,歳相応の徳を身につけているかを自省すべきなのだ。

したがって,「年少者が年長者を敬うこと」なんていうのは蛇足といえる。つまり,「長幼の序」とは年長者に対する戒めであって,年少者を慈しみ,年長者にふさわしい人間たるべく研鑽し,振る舞うこと。それで十分なのではないか。「年長者」の部分は,「立場の強い者」,「地位の高い者」で置き換えることも出来るはずだ。

儒教の影響というと,お隣韓国では,男女差別だとか,地位や歳の上の人間が威張り腐ることとか,醜い形ばかりが現在に残っているような印象がある。でも,元々の教えはもっとリーズナブルで崇高なものなのだろうね,多分。


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