SSブログ

少し期待はずれ [映画/TV番組]

冷たい熱帯魚 [Blu-ray]
「冷たい熱帯魚」Blu-ray版

年初から楽しみにしていた「冷たい熱帯魚」。Amazon.co.jpで予約していたので,発売予定日にちゃんと届いていたのだが,ウィーク・デーはなかなか映画を観る時間が取れない。週末になって,ようやく観ることが出来た。

1回観た後の感想は,なんだか訳分からん,というところ。でんでん扮する「村田」が,どんだけ凶悪なことをするのかと半ば期待していたのだけど,意外に大したことなかった。豪快な悪党なのかと思いきや,結構小者な感じ。スプラッターぽいのかと思ったら,さほどでもない。ただ,かなりエグい場面が随所にあるので,そういうのが得意じゃない人や,心臓の悪い人は,観ない方が無難だろう。とはいえ,やっていることに比べれば,衝撃的な映像と言うほどのことはない。美術的にはよく作られていると思うのだが,その割にリアリティを感じないというか。だから,衝撃的な映像を期待してこの映画を観ると,拍子抜けするのではないだろうか。

実際にあった「埼玉愛犬家連続殺人事件」がベースになっているということで,Wikipediaに書かれている事件の詳細を読むと,何をどう脚色したのか分かって面白い。結末は完全にこの映画のオリジナルになっているが,それで結局何がいいたいのかまったく分からなかったのは,私の理解力が足りないせいだろう。しかし現実の事件は,かなり凶悪な事件だった割には,記憶に残っていない。阪神・淡路大震災やほかの凶悪事件のせいでかすんでしまったということらしいのだけど。我々は所詮,マスコミを通じてしか事件を知ることが出来ないから,マスコミの報道の方針次第ということなんだよね。考えれば考えるほど,恐ろしいことだ。

元の事件の方にちょっと興味が湧いたので,共犯者(「冷たい熱帯魚」で吹越満が演じた役に相当する人物だろう)が出所後に書いたという本,「愛犬家連続殺人」(角川文庫)を読んでみようと思ったら,Amazon.co.jpにも楽天ブックスにも在庫なし。版元の角川書店で調べたら,「品切れ 重版未定」らしい。こんなところにもメディア企業の弊害が。こういう連中が,凶悪犯罪を風化させるのに一役買っているという訳だ。書籍でも音楽でも,版権を持ってるクセに,それを消費者に提供しないまま抱え込んでいるというのは,ある種の犯罪ではないか。今や,印刷コストも製本コストも,在庫コストすらかからない提供手段があるのだから,重版する気がないのなら電子ブックなどで出せば良い。もはや自分で売る気がないのなら,独占権を放棄するべきだ。そもそも,そういう状態を許している著作権関連法自体に大きな欠陥がある。

これが「文化的」といえるのだろうか。所詮権利団体の犬に成り下がって,おこぼれで甘い汁を吸おうとしているだけの文化庁なんて,「文化」を名乗る資格すらないと言えよう。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。