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ガッツポーズは侮辱的行為なのか [時事/評論]

楽天の田中将大投手が,日本ハムのダルビッシュ投手を僅差で抑えて,沢村賞に選出されたそうだ。今年の2人は甲乙付けがたい成績だったし,どちらかを選ぶというのは難しかっただろうね。何も1人に絞る必要もないと思うのだが。そもそも,選考委員会なんて必要なんだろうか。いくつか明示的な基準があるのだから,それに則って,ある基準をクリアした上で,ポイントが上位の者を自動的に選出すればよいだけなのでは? それなら,僅差で負けても,不満などは出ないだろうに。

それはともかく,沢村賞選考委員会は,この2人に,マウンド上で吠えたりガッツポーズをするのを控えるように注文をつけたそうだ。バカじゃないの? いかにも年寄りの考えそうなことだが,まったく時代錯誤も甚だしい。派手なガッツポーズが試合を盛り上げていることが理解できないのだろうか。投手戦なんて,見た目派手さがない試合が,それでどれだけ救われていることか。それでなくてもプロ野球人気は下降の一途だというのに。こういうパフォーマンスをファンは喜んでいるのである。こういう輩は,すぐ「品位が」とか言い出すが,そもそも「品位」とは何か理解できているのか。何かの選考委員なんてのをやってるプロ野球OBに限って,尊大で品位の欠けているのが多いような気がするのは,気のせいか? 自分たちのやってきたプロ野球を神聖視したいのかも知れないが,所詮ただのエンターテインメントだ。客を喜ばせてなんぼの商売である。その辺が何も分かっていないと見える。

何故サッカーの応援が盛り上がるのか。サッカーなんて,素人が見たら,だだっぴろいコートを行ったり来たりするだけで,滅多に点も入らず,見せ場の少ない退屈なスポーツだ。だからこそ,少ない見せ場で見せるパフォーマンスが,会場を盛り上げるのではないか。

プロ野球は,勝負を競う姿を見せる商売だ。いずれもプロだから,技術力はトップ・レベルで拮抗している(はず)。となれば,あとは精神力や気迫で如何に相手を凌駕するかという世界。吠えたりガッツポーズしたり,というのはその自然な発露である。だからこそ,客はそれを楽しむ。勿論,気迫をどう見せるかは,選手のパーソナリティによって異なるだろうが,それはそれでいい。問題は,型に嵌めようとする硬直化した考え方だ。

吠えるのは打者を侮辱する行為か? 人格を侮辱するのは問題だが,自分が勝ったこと,技術が上だったことを吠えるのに,何の問題があるのか。相手を挑発する行為? いいではないか。勝負を競っているのだから,お互い挑発し合えばよいのだ。それが更なる技術力の向上へのモティベーションとなるのだ。ドラゴンズの落合が,小田の「やりましたー!!」に注文を付けたという話もあったが,チームの戦略として,相手に無闇に挑発するのは得策ではない,というのなら分かるとしても,品位だなんだを持ち出すなら,やはり間違いである。どう言い方を変えようが,負けた方が負けたのは事実であり,その悔しさを次の試合にぶつけて,よりレベルの高いプレーを見せてくれれば,それがベストではないか。

少年野球の選手が真似をする,とか言っているみたいだが,何が悪いのか。勿論,形だけ真似るのは意味がないし,侮辱的な言葉を吐かないかは,指導者が注意するべき点ではある。しかし,気迫を見せるのはよいことだ。恐らく,どこかの馬鹿な親からクレームが上がっているのかも知れないが,勘違いも甚だしい。スポーツは「行儀よく」やるものではない。少年のスポーツであっても,それは勝負を競うものだ。日本人はどうも,少年野球や学生野球に幻想を抱きすぎである。年がら年中,どこかの野球部の生徒が,下級生いびり,暴力,喫煙,飲酒,...等々で問題を起こしているにも関わらず。都合の悪いものは見て見ぬふりをする,まったくおめでたい人種である。

新しい考え方を受け入れられない硬直化した頭の老人は,いい加減口を噤むべきだ。いい年こいて,若い人が頑張っているのに,水を差すものじゃない。プロ野球は,プレーしている選手たちと,ファンのものだ。子供が真似をして本当に困るのは,自チームが負けた時にガッツポーズを出したり,ドラフトで希望球団以外は嫌だと駄々をこねたり,負けたのを選手にせいにする監督のコメントじゃないのかね。


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