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野呂ウィルス? [時事/評論]

現代社会の脅威!!ノロウイルス―感染症・食中毒事件が証すノロウイルス伝播の実態

旅行の話が続いていたので,別の話題を。

asahi.comの記事によれば,「野呂」という姓の人が,「ノロ・ウィルス」という呼び方を変更するように呼びかけているらしい。

何とも馬鹿げた主張をする人がいるものだが,それはひとまず置いておいて,記事の中のある記述が気になった。「ノーウォーク・ウィルス」を「発音しやすくするために短縮したり」して,「ノロウィルス」になった,というものだ。何故,「ノーウォーク」が「ノロ」に? まさか,「イングリッシュ」が「イギリス」になってしまった如き,日本人的舌足らず発音の賜物なのか? だとしたら,そっちこそ余りに恥ずかしい話だと思って調べてみた。すると,Wikipediaによれば,「ノーウォーク(Norwalk)」の"Nor"と"Virus"を,ラテン語の連結形"o"で連結して,"Norovirus"としたそうだ。な~んだ。「発音しやすく」なんて,何も関係ないじゃん。「ノロウィルス」は立派な正式名称なのだ。asahi.comも相変わらず質の悪い記事を載せてるねぇ。記者はちゃんと調べて書いたんだろうか。やっぱり,記事を載せるからには,記名で内容に責任を持つべきだ。

という訳で,「ノロウィルス」を「ノロウィルス」と呼ぶのは,ごく当たり前のこと。いちゃもんをつけられる筋合いは全くない。「属」で呼ぶか「種」で呼ぶかなんて,業界の慣例や状況によるのだろうから,部外者が「種」で呼ぶべき,なんて口出しするのはおこがましいというもの。

そもそも,ウィルスの名前と発音が同じだからと言って,「嫌な思いをする」などという考え方自体が間違っているということに気付いて欲しい。もし,そんな理由で他人をからかったり,いじめたりする子供がいるのだとしたら,そちらの方がよっぽど問題だし,そういう子供達を育て,放置している社会そのものが恥ずべきものなのだ。そして,そんな社会を作り上げて来たのは,紛れもない大人達なのである。からかう子供には,人の厭がることをしてはいけないと教え諭し,からかわれる子供には,そんな下らないことを気に病むのが如何に馬鹿げたことかを,根気よく言って聞かせる...というのこそ,理性ある大人の役割であり,責任なのではないか。間違っていることの方を正そうとせず,無関係のものに言いがかりをつけるなんて行為こそ,決して子供に真似して欲しくないことだ。

大体,病気とかウィルスとか,発見した人の功績を讃えて,その人の名前に因んだ名前をつけるなんてこと,至極当たり前のように行われているんじゃないのか? そして,それは本来名誉なことである。発見者からしたら,人類の健康に寄与するべく研究に取り組み,成果を上げたのに,感謝されるどころかいちゃもんをつけられるなんて,それこそ心外だろう。仮に,ノロウィルスを発見したのが野呂さんという人で,それに因んで「野呂ウィルス」だとしたらどうする? 野呂さんを讃えるのではなく,子供がいじめられるから,名前を変えてくれって言うのだろうか。貧しく,自己中心的な発想と言わざるを得ない。そんなものが,到底世界に認められるはずがないし,認められるべきではない。愚かで悪しき前例を作らないためにも,こんな馬鹿馬鹿しい要望が通らないように願うばかりである。そうでないと,同じ日本人として恥ずかしすぎる。

日本人は,訳の分からない語呂合わせやら,ダジャレやらが好きな人種だからねぇ。「29日」を「にくの日」とか,「11月22日」を「いいふうふの日」とか言ってる分には害もないが,人の名前をもじって貶めるようなことも,TV等でいい大人が年がら年中やってる。「ノロウィルス」なんてウィルスが存在しようがしまいが,子供達にとって,からかうネタなんてそこら中にゴロゴロ転がってる訳で...。


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