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Nadalの壁 [スポーツ観戦]

負けてしまった。

今年のRoland Garrosの4回戦,錦織 vs Nadalの対戦は,3-0でNadalの勝ち。残念,惜しい...と言いたいところだが,正直言って,完敗である。

錦織がNadalとGrandslamで対戦するのは,2010年のWimbledon以来。当時は故障上がりでもあったが,まだランキングが低く,WimbledonにはWildcardでの出場。1回戦でいきなりNadalと対戦することになったが,ストロークの打ち合いではほぼ互角という印象で,ストレート負けはしたものの,将来を期待させる内容だった。あれから約3年。錦織は世界ランク15位で,大会の第13シードというところまで実力を上げてきた。対するNadalは,全盛期を過ぎた感は否めない上,故障・病み上がりで,まだまだ本調子ではないはず。きっと,前回以上に互角の勝負を観られるだろうと楽しみにしていたのである。

しかし,結果はこの通り。実力差が縮まったようにはとても感じられなかった。勿論,Nadalの気力と集中力は充実していて,素晴らしいものがあった。決して錦織のプレイが悪かったわけではない。むしろ,現在,男子テニスでBig 4と呼ばれる人たちとの間の,大きな壁を認識させられる結果となった。

それでも,第1セットの内容は良かった。厳しいコースへのウィナーが見事に決まり,ロング・ラリーでも最後は打ち勝つ場面が何度も観られた。しかし,さすがにNadal。徐々にエンジンがかかってくると,良いコースに決まったはずのものも打ち返してくる。錦織は,センター・コート名物の風の影響か,ボール1つ2つでアウトになる球が増えてくる。そのせいか,だんだんと際どいコースを狙えなくなってしまったようで,そこをNadalに切り返される。第2セット以降は,サービス・ゲームをキープするのも簡単ではなくなってしまった。思うように行かない状況に,メンタル面でも不安定になっているのが,端からも手に取るように分かる。もはや,勝てる雰囲気はどこにもなくなってしまっていた。

第2セット以降の錦織のプレイは,素人目に見ても単調だった。トップ10の選手というのは,どんなに一方的な展開になっても,そのままあっさり負けてしまうということがあまりない。そういう状況に追い込まれると,プレイ・スタイルをがらっと変えてくるのだ。そうやって悪い流れを変え,自分のペースに巻き込んでいく術を知っているのである。

今日の試合でも,WOWOWの解説者が何度も言っていたように,スライスを使ってみるなど,錦織に早い段階でペースを変える工夫があれば,結果はもっと違うものになっていたかも知れない。勿論,そんなことは,錦織自身も良く分かっているだろう。今回は残念な結果になってしまったが,今日の試合の経験から得られるものは多いはずである。これでまた一皮剥けて,TOP 10入りの実現が近付くものと信じたい。


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