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ドラマ版「幻夜」にがっかり [映画/TV番組]

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))
東野圭吾の「幻夜」。分厚い本だけど,ぐんぐん読めてしまう。

WOWOWで放送されていた東野圭吾原作の「幻夜」が終了した。

このドラマ,期待していたんだけど,酷かったなぁ。とにかく脚本が酷過ぎる。原作をちゃんと読んだんだろうか。読んだ上で,ああいう解釈になってしまったのだったら,もう救いようがない。基本的な日本語読解能力が欠如しているとしか思えない。一応全部観たけれど,直視に耐えないので,ほとんど「ながら見」状態になってしまった。

一言でいって,あれは「幻夜」ではない。もちろん,原作に忠実に作る義務はないのだろうが,より良くなるならいざ知らず,あんなに劣化させてしまうなら「原作」を謳うべきではない。原作者に失礼だ。「原案」くらいにしておいて,あくまでもオリジナル作品として製作すればよい。東野圭吾の人気をあて込んでいるのだけだとしたら,詐欺同然だ。原作を読んでいて,あれを「幻夜」だと納得出来る人間はほとんどいないだろう。

何がダメって,深田恭子の「美冬」が露骨に悪女すぎる。原作だって悪女なのだが,表面上はあくまでも,非の打ち所のない,理想の女性を演じていなければならない。疑いを持たれるような隙など見せるはずがないのだ。裏の顔を知っている雅也でさえ,すべては自分たちのためだと思い込んでいるのである。仮面の下が見えないところが,「美冬」の本当の恐ろしさなのだ。ドラマのような攻撃的で嫌な女ではありきたりに過ぎる。しかも,隙だらけだし。そこの違いが描けなければ,「幻夜」ではありえない。その間違ったキャラクター設定のお陰で,ストーリー全体が歪んで不自然になり,お粗末になってしまった。あまりに稚拙である。そもそも,あんなキャラじゃメインにならんでしょ。深田恭子のキャスティング自体は悪くないと思うんだけどね。

柴田恭兵の刑事も,本当に酷かった。役者が下手なのか,あの脚本じゃどうしようもないのかわからないけど。あんな激情的で考えの浅い刑事が関わってたら,まともな捜査なんかできるわけないよねぇ。原作はあんなボンクラじゃないと思うんだけど。まぁ,あの偽「美冬」とはレベルが合っているのかも知れないが。無意味に挑発して,手の内を晒したりね。馬鹿かと。視聴者を惹きつけるのに,無理矢理にでもそういう絵が欲しかったのかもしれないけど,だとしたら視聴者を馬鹿にし過ぎである。

視聴料取って,ドラマ制作しているわけだから,民放よりましなドラマを期待していたのだが,とんだ買いかぶりだったようだ。まぁ,「パンドラ」だって酷かったわけだけど,今回はしっかりした原作がついてたのになぁ。最近はしきりと映画「白夜行」の宣伝をしてるようだけど,これじゃ韓国版の二番煎じになりかねませんな。


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