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武道必修の愚かさと無責任 [時事/評論]

久し振りに,怒りモード。

今日初めて知ったのだが,2011年度より,中学校で武道が必修化されるそうだ。こういう馬鹿げた指導要領を,一体どこの頭の狂った人間が考え出すのだろうか。文部科学省によると「武道は、武技、武術などから発生した我が国固有の文化であり、相手の動きに応じて、基本動作や基本となる技を身に付け、相手を攻撃したり相手の技を防御したりすることによって、勝敗を競い合う楽しさや喜びを味わうことができる運動」だから,必修化するらしい。だから何? 武道をやりたい者は,勝手にやればいいが,なぜそれを必修にする必要があるのか。押しつけがましいことこの上ない。何様のつもりか。何かというと,もっともらしい理屈をつけて「必修」にしたがる馬鹿がいるが,それは何故なんだろう。誰かに金でももらっているのか?

今日のNEWS 23でやっていた話によると,柔道では後遺障害のある事故がかなり多く,問題になっているらしい。これは,他の武道と比べても圧倒的に多いそうだ。しかし,柔道人口が日本より遙かに多いフランスでは,特に問題になるほどではないらしい。これは,日本の柔道指導者の意識の問題が大きいと考えられている。日本の国技だからとかふんぞり返って,根性論的な浅はかな論理で,基本的な安全対策を怠る馬鹿な指導者が多いだろうことは,容易に想像がつく。こんな状況で,そもそもまともな指導者がいるかどうかも分からない義務教育の中学校の授業に柔道を導入して,誰が安全を保証してくれるのか。何かあったら,一生,介護の費用や面倒を見てくれるのか? それならまだしもだが,いざとなったら責任を取らない連中ばかりなのが日本である。危機管理能力のない愚か者どもが,思いつきで始めた戯れ言で,前途ある若者の人生がめちゃくちゃにされる可能性があるのだ。こんな大事なことを,国民がよく知らされないうちにこそこそ始められてしまう,この国はどうなっているのだろう。

NEWS 23でやっていたのは,柔道の昇段試験の会場で,模範演技後に異常を来したが,誰一人気付かずに40分放置され,重度の後遺障害を負ってしまった高校生の話だった。会場には,医療資格を持つ者は誰もいなかったらしい。親は当然,高校と柔道連盟を訴えているが,いずれも責任を回避する主張をするばかり。その主張は,あきれかえるほどに身勝手に過ぎるものだ。そもそも,保護監督する立場にある組織が,どんな事情があるにせよ,何らかの責任を問われるのは当たり前だろう。臆面もなく,責任はないと主張できる精神構造が理解できない。本来武道とは,健全な精神を養うためのものではないのか。こんな連中に任せて,授業に武道を取り入れたところで,健全な精神が育つのか。恥を知れ,と言いたい。

いくら武道を学ぶ価値を説いたところで,現実はこれなのである。これから中学生になる子供を持つ親は,安心して学校に子供を任せられるのか? 責任を取らない腰抜けばかりの学校や国に,柔道の授業などを許してよいのか? 他人事ではない。まさか自分の子供に災厄は降りかかるはずはないなどという,根拠のない安心は禁物である。日本では,何かというと,重大な事故が発生するまで様子を見る,というような考え方をする輩が多いが,当事者にとっては,事故が起こってからでは手遅れなのである。

今どき,武道など学ばなくても,何も困ることはない。今からでも遅くはない。世論を盛り上げて,こんなくだらない指導要領は撤回させるべきだ。


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