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感謝の仕方 [時事/評論]

先の震災被害に対して,台湾から巨額の義援金や物資援助等があったことに感謝して,資金を募って台湾の新聞にお礼広告を出すという活動があるらしい。個人的には趣旨に全く賛同しかねるので,寄付もしないし,サイトへのリンクも張らない。勿論,台湾の人々の暖かい気持ちと援助はとても有難いと思っているし,深く感謝もしている。感謝を形で表したい気持ちはよく分かるのだが,これはやり方が違うだろう。広告掲載には約240万円かかるそうだ。それならその分,義援金に回せばいいのに,と思うのは私だけではないし,寄付をした台湾の人たちもそうだろう。自分のお金をどう使おうと自由だが,日本人が皆同じだと思われるような表現だけは是非避けてもらいたい。

少し前に,台湾で物資援助を取りまとめている人の話をTVで観た。その人が(日本語で)話していたのが「善意は相手を見てしなければ意味がない」ということ。日本語としては微妙な表現だが,要は,たとえ善意であっても,相手が喜んでくれなければ善意の意味がないということだ。独りよがり,自己満足の善意ではいけない。よく分かっている人だと思った。

感謝を伝える方法は,何もお金を使うことだけではない。どうしても直接伝えたければ,台湾の駐日代表部である台北駐日経済文化代表処や台湾のTV局宛に,英語でも日本語でも,手紙やメールを送ったっていい。たくさん集まれば,台湾政府のHPやTVニュースなどで紹介されるかも知れない。その方がよほど感謝の気持ちが伝わるような気がする。そこまでしなくても,万一台湾に大事が起こった時には,その時に惜しみなく援助すれば良いのではないか。そして,その気持ちを忘れないことこそが大事なのだと思う。

それはともかく,そもそもこの活動の発端は,日本政府が,援助をしてくれた国の新聞に,お礼広告を出したということらしい。その際,台湾が対象にならなかったのは,日中関係を考慮してのことだろう。残念ではあるが,現在の国際情勢では,外交上仕方ないことといえる。それより問題は,そんな広告を政府が出していたということだ。一体いくらかかっているのか。そんなことに手間とお金を使っている場合か? それこそ,首相が記者会見で,心からの感謝の意を表明すればよいことではないのか? 誰が思いついたのかは知らないが,全く愚かなことだ。

原発事故処理での相次ぐ失態で,国際的な信用を落としているさなかの,この愚行。諸外国の人々はどのように感じているのだろうか。


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