Air Videoを試す

先日iPad2での動画再生の話を書いたが，いちいちMPEG4に変換して転送するのでは手間がかかりすぎる。H.264の変換は時間もかかるので，それも問題。家のメディア・サーバーに置いてある動画を，そのままネットワーク経由で再生できないものだろうか。

App Storeで探してみると，DLNAクライアント機能を持つアプリはいくつかみつかる。その中で，無料で比較的評判のよさそうなMLPlayer Liteを試してみたのだが，ファイルのリストは出るものの全く再生ができない。メディア・サーバーに置いてあるファイルはすべてMPEG2なので，iPadが対応していないフォーマットの動画を，DLNAで再生することはできないのだろう。では，MPEG4ならどうかと思って，先日iPad上で再生を確認しているMPEG4をサーバーに置いて試したところ，「サーバが正しく構成されていません」というエラーが出てしまった。意味不明。サーバー(PS3 Media Server)が悪いのか，クライアントが悪いのか分からないが，これではまったく使い物にならない。

再びいろいろ調べてみたところ，どうもAir Videoというアプリが良さそうなことが分かった。これはDLNAとかではなく，専用のサーバー(無料)をPC上で稼働させて，クライアント・アプリにストリーミングする方式のようだ。サーバーはトランスコーディングにも対応しているので，メディア・サーバー上で動作させれば，MPEG2ファイルを変換しながらクライアントで視聴することができるはず。

クライアント・アプリには無料版があるので，まずはこれで動作確認が出来る。MLPlayer Liteでは見られなかったMPEG4も問題なく，トランスコーディングなしに観られた。無線LAN環境でも，コマ落ちするようなこともなく，再生はスムーズ。

次はMPEG2のトランスコーディング。"Play with Live Conversion"というボタンが表示されるので，それを押す。実際に再生が開始されるまでちょっと待たされるが，始まれば比較的スムース。ただ，トランスコーディングの速度が追いつかず，時々再生が止まってしまうこともある。これは，メディア・サーバーがVMとして動作しているせいかも知れない。タスク・マネージャで見てみると，CPUの使用率が100%に張り付いてしまっている。

物理マシン(Core2Duo E8400)でも試してみたところ，再生が止まることはほとんどなくなった。ただ，CPU使用率が100%になってしまうのは同じ。CPUの処理能力はかなり違うはずなので不思議だ。VMの方でも，止まらずに再生されることもあるので，これは同時に動作している他のVMの処理状況も影響しているのかも知れない。

なお，"Play with Live Conversion"と同時に，"Convert"というボタンも表示される。こちらを押すと，その場で再生されるのではなく，サーバー側でのファイル変換が予約される。変換が終わると新しいファイルが出来ているので，それを再生すれば，トランスコーディングなく観ることができる。頻繁に再生するような動画は，その方が便利だろう。

いずれにしても，Air Videoは結構使えそうな印象。但し，無料版は，フォルダ内のファイル/フォルダを最大4つまでしか表示してくれない。5つ以上ある場合は，その中から毎回ランダムに4つが表示される。それで困る場合は，有料版をお求めくださいという訳だ。ただ，有料版もわずか350円なので，迷わず購入。家中どこでもビデオが観られるのは，想像以上に便利である。1024x768とはいえ，iPadでの動画再生は意外に綺麗なので，充分実用的なのだ。結構取りっぱなしの番組が溜まっているので，週末はこれで少し消化する予定。

話は変わるが，全豪オープンの森田あゆみは惜しかった。少なくとも，今日のWickmayerとは，実力的に互角だったように見える。それでもどちらかが勝って，どちらかが負けるのが勝負なのだから仕方がない。次に期待したい。しかしこれで，シングルスには日本人がいなくなってしまった。残念。

そういえば，今回はSharapovaの試合を観てないな。放送自体なかった気がする。日本人選手の試合を優先してたせいだろうか。