音楽DVDなのにリージョン1?

Genesisのアルバム，"Duke"。DVD付きだが，これは輸入版なのでリージョン1が設定されていることに注意。

先代のiPod nanoは，車に積んである。車載のCDレシーバの外部入力に接続して，カー・ステレオ替わりに使っているという訳だ。1000曲弱入っていて，ランダム再生にしてあるので，何がかかるかはお楽しみ。普段車を使うのは短距離ばかりなので，数ヶ月かけてようやくひと通り聴き終わるくらいのペースになる。

そういうシチュエーションで，先日車に載っている時に，Genesisの"Behind The Lines"がかかった。アルバム"Duke"の最初の曲だ。この曲も含めて，Dukeは結構気に入っているのだが，しばらく通しで聴いていない気がする。と思ったら，無性に聴きたくなってきたので，家に帰って早速プレーヤーでかけてみた

このアルバムは，プログレ・バンドらしく組曲形式になっている。Wikipediaの情報によると，最初の3曲，"Behind The Lines"，"Duchess"，"Guide Vocal"と，"Turn It On Again"，そして最後の2曲，"Duke's Travels"，"Duke's End"の全6曲がひと続きで，これが"Duke"の原型なのだそうだ。

組曲であるからには統一したテーマがあるはずだが，私程度の英語力では，歌詞の言葉通りの訳しか分からない。そこでさらに調べてみると，「下町のアイドルだった女性ヴォーカリストが，メジャー・デビューして変わっていくというストーリー」と解説しているサイトが見つかったのだが，それを念頭に置いて歌詞を読んでもピンと来ない。英語の読解力が足りないのか，あるいは歌詞以外にも何か判断材料が存在するのだろうか。

それはさておき，調べている時に，Dukeは現在CDとDVDがセットで売られていることが分かった。DVDには，DVD Audioのアルバム全曲と，DVD Videoとしてのライブ映像などが収録されているらしい。DukeのCDは当然持っているのだが，Amazon.co.jpで1940円と安いし，DVD目当てで購入することにした。

ところが，モノが届いていざ再生しようとしてみると，「リージョンが異なるので再生できません」というつれないエラー・メッセージ。どうもこの付属DVDはリージョン1に設定されているらしく，リージョン2の日本のプレイヤーでは再生できないようだ。なんということ! Amazon.co.jpのページには，そんな注意書きは何も書いてなかったのに。そもそも，DVDの音楽ソフトで，リージョンが設定されているのをあまり見たことがない。それで油断して，確認を忘れたのだろうか。パッケージにさえ記載がないので，これは完全に販売元の手落ちといえよう。困ったものだ。

リージョン・フリーのDVDプレイヤーは持っているのだが，あまり使っていなかったら，壊れてしまったみたい。となると，不本意ながら，あの手この手を使って，無理やり観るよりない。まぁ，こっちはちゃんと金払って購入しているわけで，後暗いところは微塵もない訳だが。

しかし，もういい加減，ソフトの権利者の身勝手な都合の押し付けでしかないリージョンなんて，廃止して欲しいものだ。このグローバル化の時代に，完全な時代錯誤である。いくら制限をかけたところで，回避できる人にはできてしまうのだから，事実上無意味。それに，インターネットの普及と高速化を考慮すれば，物理メディアだけ制限しても，それは物理メディアの売上を下げるだけだろう。

ハリウッド辺りの頭の硬い連中は，世の中の速い流れについていけないのかね。