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プードルのような... [時事/評論]

トイ・プードル 飼い方・しつけ・お手入れ
「トイ・プードル 飼い方・しつけ・お手入れ」

渦中のオリンパスは,菊川剛が代表権のない取締役に降格し,社長を交代した。しかし,そんなことで事態が好転すると,ほんの少しでも期待しているのだとしたら,相当の愚か者揃いである。そもそも,不正を指摘した元社長は即解任で,不正を働いていた疑惑のある菊川が,なぜ降格だけで済まされるのか。新社長の高山修一は菊川の子飼いだという噂だし,ほとぼりが冷めてから復権する気満々ってことだろう。っていうか,これだけの不祥事で復権できる気でいるとは,世の中を甘く見すぎではないか? 長いこと独裁者として君臨してきた人間は,なんでも自分の思う通りになると勘違いをしてしまうんだろうね。

呆れ果てるのは,事件が発覚した後,菊川名で社内Webサイトに掲載されたという,元英国人社長を貶めるメモ。こんなものを公式に社内に発信できる非常識な企業文化と,醜悪な人間性。しかし,これがオリンパスという会社の実態なのだろう。8月末に控訴審判決で敗訴し,現在会社側が上告中の「コンプライアンス裁判」もそうだ。上司の業務上の不正を,社内のコンプライアンス通報窓口に通報したら,別の部署に異動を命じられ,人事部などから嫌がらせを受けたという事件である。結局,この会社はコンプライアンスとか企業統治の意味をまったく理解できていないのだろう。こんな会社が国際企業とは,日本の恥以外の何ものでもない。

USではFBIが動き出したという話もあるし,さすがに日本でも,国会で追及していく方向のようだ。是非とも,徹底的に究明して欲しいものだ。時代錯誤で愚かな経営者を,1人でも多く日本から駆逐するために。

ところで,このオリンパスの不祥事,日経の翻訳記事で最初に読んだのだが,この中に妙な表現があった。

プードルのような取締役会はきちんとチェックしなかったようだ

という部分。「プードルのような」ってどういう意味? プードルといったら犬である。ということは,犬のように従順っていう意味だろうか。

そこで,英語版Wikipediaで調べたところ,ちゃんと載っていた。「政治的な意味での侮辱的表現」だそうで,リーダーに従順で受け身な政治家を評してこう形容するのだそうだ。まぁ予想通りではあるが,いずれにしても,日本では一般的な表現ではない。意訳してしまっては,オリジナルのニュアンスを損ねてしまうだろうが,訳注くらい付けておかないと,翻訳記事としては不十分ですな。

報道の記者っていうのは,取材はともかく,本来人に伝えるために文章を書くプロのはずなのだが,最近は日本語力の不足したやつが多いようだ。編集部にだってチェックする人間はいるだろうに,チェックする人間も日本語力が不足して来ているのだろう。これでは後進を指導する事も出来ないし,レベルの低下に歯止めがかからない。どこの業界でも似たようなことはある訳だけど,どうにもならないんだろうか。

因みに,本家Financial Times紙の記事はこちら。4番目のパラグラフの真ん中辺りにある,"a poodle-like board"と書かれているのがそれだ。これでいくと,新社長の高山は,差し詰め「プードル」一味の1人ってところですな。


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