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西岡がラスベガスで勝利 [スポーツ観戦]

BOXING BEAT (ボクシング・ビート) 2011年 05月号 [雑誌]
この絵は,前の防衛戦,ムニョスとの試合のもの。

いやー,西岡が勝って良かった。

今日WOWOWで放送された,WBC世界スーパー・バンタム級タイトル・マッチの話。日本人世界チャンピオンとして,初のUSラスベガスでの防衛戦勝利を期した試合である。相手は元2階級制覇チャンピオンのラファエル・マルケスという強豪。それに加えて,マルケスの母国メキシコにもほど近いラスベガスでの対戦は,西岡にとってはアウェイとも言える。それでも,やはり世界的なボクシングの舞台と言えば,ラスベガス。ここで勝利することは,今後の更なるスーパー・マッチのために,絶対に必要だったのである。

実際,マルケスは強かった。序盤から手数も多く,まともに当たってないとはいえ,西岡も結構パンチをもらっていたはず。ガードも堅く,なかなか打ち込めない状況。この辺りは,マルケスにポイントを付けたジャッジも多かったのではなかろうか。中盤くらいから,徐々に西岡のパンチも当たり出して,押し気味になってきたのだが,そこへ第8ラウンドのバッティング。頭をカットして血が噴き出してしまった西岡に,マルケスが猛然と突っ込んできた。それまでの劣勢を一気に取り返すが如くの勢いで,今日一番のピンチだったといえるだろう。この約1分を乗り切ったのが大きかった。次のラウンドではすぐに立て直して,再び優位に試合を進める。マルケスは相変わらず手数は多いものの,パンチに切れがなくなったか,空を切ることが多くなった。対する西岡のパンチは,クリーン・ヒットもしているのだけど,マルケスはタフで倒れない。KOよりも判定勝ちにもつれ込みそうな気配が濃厚。こうなると,消耗してきているとはいえ,一発当たればどうなるか分からないマルケスのパンチは危険。もっと安全に,慎重に戦って欲しいというこちらの思いとは反対に,西岡は最終ラウンドまでKOを狙っていく果敢な姿勢。最後は本当にはらはらしたが,両者倒れることなくゴング。判定はチャンピオン有利と言われているし,試合内容からも間違いないとは思いつつも,アウェイの地ということで若干の不安が残る。ジミー・レノンJr.氏が,ジャッジ全員一致(unanimous decision)であったことを告げる。ポイントは,1人115-113を付けていて,競っている。さて勝者はどちら? そして,一拍おいて「Still!」。一気に緊張が解けた。良かった。防衛成功である。

この後,恒例のリング上でのインタビューが始まるのかと思いきや,西岡はリングを降りてWOWOWの解説席へ。ちょっと拍子抜け。もしかして,有力なUSのTV局での放送はなかったんだろうか。そういえば,リングのポストにもでかでかと「WOWOW」って書いてあったっけ。せっかくのラスベガス・デビュー,しかもラファエル・マルケスを下しての防衛成功だったのだけど,USでどれだけ名前を売ることができたのか,ちょっと心配だ。US「SHOWTIME」のHPで番組表を見ても,放送されていた気配がないんですけど...。

ただ,今回の試合の興行主であるTop Rankの社長は,西岡のことを気に入っているみたいで,次は同社傘下のノニト・ドネアと対戦させると言っているそうだ。ノニト・ドネアと言えば,パッキャオ2世と言われる,軽量級のスターである。ドネアは,現WBC/WBO世界バンタム級チャンピオンだが,既に決まっている次の防衛戦の後で,王座を返上(防衛したらの話だが)して,階級を上げてスーパー・バンタムに挑戦するということらしい。もし実現したら,ラファエル・マルケス戦以上のビッグ・マッチになる。そして,それに勝つことが出来れば,西岡は名実ともに,世界的スターの仲間入りということになるだろう。ワクワクしますな。今回のファイト・マネーが,西岡100万ドル,マルケス30万ドルということだったが,それどころじゃなくなってくるだろうね。しかし,100万ドルって,今や7700万円ほどなのか。1億超えてないってのは,ちょっと淋しい感じ。

ところで,今日の放送の最後の方で,生放送された3試合以外の,アンダー・カード2試合の模様が放送された。その中のひとつに登場したのが,カルロス・リナレス。なんと,あのホルヘ・リナレスの実弟だそうだ。兄と同じく,帝拳ジム所属。その試合内容がまた圧巻。ミドル級の選手ながら,この日はSミドル級の選手との契約体重162ポンドの試合。自分よりも重量級の選手に対して,開始約30秒,左フック一発で吹っ飛ばしてしまった。これでKOにはならなかったものの,その後も一方的に打ちまくり,1ラウンド1分13秒でレフェリー・ストップ。これは楽しみな選手である。兄ホルヘは,10/16(日)にWBC世界ライト級タイトル・マッチに臨む予定だが,兄より一回り大きい,あのパワーは魅力である。

因みに,この2人にはさらに,ネルソンという兄がいて,やはりプロ・ボクサーだそうだ。去年の11月まではWBA世界ミドル級の7位にランクされていたが,その後リストから消え,今年6月にはLヘヴィー級8回戦で判定勝ちしている。兄弟揃ってボクサーっていうのは結構多いけど,こういうのってやっぱりDNAなんだろうかね。


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