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洒水の滝 [日記]

昨日の続き。

周りの斜面はシャガだらけ

河村城址も洒水の滝も,駅の南にあるので,跨線橋を渡って反対側へ。河村城址はこちら,という標識があちこちに立ってるので,マップがなくても迷うことはなさそう。国道246号の下を潜るトンネルを抜けると,目の前には新緑に溢れた風景。ここからハイキング・コースになっているようで,少し上り坂になっている。道の両側に,白い花が目立つと思ったら,シャガだった。シャガがいっぱい。単に季節的なものか分からないが,この先も,とにかくシャガがたくさん咲いている。こんなに群生しているのを見るのは初めて。

道は徐々に傾斜を増し,気付けば舗装路でもなくなっている。道の土が若干滑る。気温も暖かなので,上り坂で汗が噴き出してくる。暑い。でも,時折木々の間を擦り抜けてくる風が,涼しくて心地よい。相変わらずのシャガと,時折,八重山吹の間をずんずん登っていくと,ようやく開けた所に出た。そこが河村城址らしい。今は何も残っておらず,ただの野原だ。兵どもが夢の跡,と言ったところだろうか。河村城っていうのは,こんな山城だったのか。少し登っただけあって,ここからの眺めがまた良い。河村城址碑の向こうに,手前の山の斜面から少しだけはみ出した富士山が見える。東名の吾妻山トンネルらしい3つのトンネルと,その前の橋も見える。なかなか壮観だ。

河村城址から,少しだけ富士山が見える

暫く景色を楽しんでから,洒水の滝へ向かう。今度は下りの山道。さっきこんなに登っだろうか,と思うほど下る。でも下りなので,暑くはない。新緑の木々に囲まれた中を歩いて行くのはとても気持ちが良い。やがて道は舗装路になり,普通の住宅地っぽくなってきた。。そのまま山道を通って滝まで行けるのかと思っていたので,ちょっと拍子抜け。それでも滝への案内板が出てるので,道は正しいようだ。途中,酒匂川に架かった高瀬橋を通る。川幅は広いが,深くはないようで,水に入って釣りをしている人がいる。ちょうどタイミング良く釣り上げた魚がキラッと光った。何が釣れたのだろう。鮎の解禁はまだ先だし。

そのまま道なりに進むと,比較的車通りの多い道に出る。左手を見ると,「洒水の滝入口」の看板があった。入口には食堂があり,その前から,車道とは別に,川沿いに散策道が始まっている。その川は,先程の高瀬橋のところで酒匂川に合流する滝沢川で,その上流に洒水の滝があるようだ。散策道の終点辺りに,いくつか駐車場があり,さらにそこから5~6分歩くと,ようやく滝が見えてくる。

洒水の滝・遠景
シャッター速度 1/60秒
洒水の滝・滝壺付近
シャッター速度 1/8秒

洒水の滝は,木々に隠れて見えない山の上の方から,糸を引くように細く落ちている。69メートルというだけあって,かなりの落差だ。高さの割りに幅がないので,余計に高く見えるような気がする。落石があったらしく,滝壺に向かう道の,一番手前の赤い橋のところで通行止めになっていて,近くまで寄れないのが残念。間近で見れば,さらに壮大な印象を受けたのだろうけれど,遠目に全貌を楽しむのもまたよいものだ。岩肌と木々の新緑に,朱塗りの橋がアクセントになって,絵葉書のような光景である。GW中なのに人も多くなく,のんびり安らげる空間だった。こんなに素晴らしいなら,もっと早く来れば良かった。丹沢湖に来る時,看板だけはいつも目にしていたのだけどね。途中の道の渋滞さえなければ,時々訪れたい場所だ。紅葉シーズンも良さそうだが,さすがに混雑するのだろうか。

ところで,滝を撮る,ということで,今回は三脚持参である。滝は,普通の高速シャッターで撮ると,水が止まったように見えてしまって,滝らしさが感じられなくなることがある。そこで,少し遅めのシャッター速度を使ったりするのだが,そうすると手持ち撮影では全体がブレてしまう。そういう訳で,三脚は必需品なのだ。荷物になって邪魔なので,なかなか三脚を持ち歩くことはしないのだが,滝が目的とあっては仕方ない。リュックに入らなかったので,三脚ケースに入れて持ってきたのだが,やっぱり邪魔...。

三脚をセッティングして,実際に撮ってみる。1/10秒から徐々に長くして試してみたのだが,撮ったものをカメラの液晶で確認してみると,全体的にぼやんとしてしまっている。ブレているのだ。三脚を使っているのに何故? と思ったら,原因は滝を取り囲むように写っている木々だった。強くはないものの,少々風があったので,それが木々の枝葉を揺らしてしまい,ブレて写ってしまったのだ。他の滝のように,岩場がメインならよいのだが,葉が多い場合はうまくない方法のようだ。やっぱり写真は難しい。仕方がないので,滝の全景は速いシャッター速度で撮り,滝壺近辺にズームしたものを,遅いシャッター速度で撮ってみた。絹糸を流したように写った水は,やっぱり美しく見える。

この後,再び徒歩で山北駅へ向かい,帰路についた。といっても,まだ時間が早いし,あまりこちらの方に電車で来る機会はないので,あちこち散歩しながらのつもりだった。しかし,事態が暗転したのはこの後。松田駅で降りて,御殿場線の車内から見えた,川原を探しにふらふら歩いていた時のこと。左足をつこうとした時,そこにあるはずの地面がなく,あっと思った次の瞬間には,ガシャーンという大きな音を立てて転倒していた。大きな音の元は,右肩に担いでいた三脚。右手に掴んでいたカメラも,微妙に接地したっぽい。自分の身より何より,まずカメラが心配だったので,スイッチを入れて撮ってみたところ,一応ちゃんと動いているみたい。レンズ・カバーがアスファルトでちょっと削れただけのようだ。良かった。一方,身の方はというと,地面についた左の掌からから出血。更に,ズボンの右膝が破けてる。まだ2回しか穿いてないのに...。なんと柔な生地なんだろう。これで一気に気分が落ち込んでしまった。一応川原までは出てみたものの,手も膝も痛いし,出血は止まらないし,とても散歩なんて続ける心境ではない。そのまま駅にUターンして,本当に帰路についた。小学生でもあるまいし,膝の破けたズボンのまま電車に乗って帰るのは,少々恥ずかしかった。いや,最近は自分でジーンズを破いたりするファッションもあるみたいだし(←ここがすでに年寄り臭いが),お洒落に見えたりするのか?

考え事して歩いていたりすると,段差に気付かずに転びそうになることは,たまにあるのだが,転倒までしたのはちょっと記憶にない。三脚やら何やら持って,バランスが悪かったせいもあるのかも知れないが。買ったばかりのズボンが破けてしまったのは悔しいが,骨折のような大事に至らず,良かったと思うことにしよう。気を付けなければ。


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