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集団ヒステリー [言葉]

asahi.comの記事によると,イタリアの国民投票で,原発凍結賛成が94%だったことに対して,自民党幹事長の石原が「集団ヒステリー」と表現したとのこと。

自民党の幹事長なんぞの肩を持つのも癪に障るが,まさにその通りだろう。そもそも賛否2択の投票において,投票率が54%にも達しているにも関わらず(有権者数が人口の7割と仮定しても2千万人以上),片方の意見に94%と大きく偏っている結果を,異常だと考えないのがおかしい。こういう現象を「集団ヒステリー」と呼ぶのである。asahi.comの記者は,「表現が不適切との批判が出そう」などと書いているが,批判するとしたら,正しい言葉の意味を知らない,不見識な人間だという恥を晒すようなものだ。芸能人とかタレントとかに,そういう輩が多いのが困りものだが。

昔から,「女性のヒステリー」などと間違った認識とともに誤用されてきた言葉で,そのイメージを引きずっているのだろうが,天下の大新聞社の記者が(碌に調べもせず)こんなことを書いているとは,真に嘆かわしい限りである。


tertiary [言葉]

英語で,「1番目の」,「2番目の」を,それぞれ"primary","secondary"という。今となっては少し古いが,PCで「プライマリ IDE」,「セカンダリIDE」などという時のそれだ。先日,仕事でとある表を作っていて,1番目,2番目に加えて,3番目が必要になった。secondaryの次って何? ここで,"1st","2nd"に直すのも癪なので,ちょっと調べてみた。

同じことを疑問に思っている人が多いと見えて,すぐに答が見つかった。「3番目の」は"tertiary"。発音は「ターシァリ」というような感じ。ラテン語の"tertiarius"から来ているのだそうだ。別に難しい言葉ではないのに,未だかつて見かけた記憶のない単語だ。英語は奥が深いですな。

せっかくなので,ついでにその続きも調べてみることにした。Oxford Dictionariesのサイトの解説によると,

3番目のtertiary
4番目のquaternary
5番目のquinary
6番目のsenary
7番目のseptenary
8番目のoctonary
9番目のnonary
10番目のdenary
11番目の-
12番目のduodenary

と続くそうだ。これまた,見たこともない単語ばかり。実際,"rarely used"と書いてある。しかし,"quaternary"からは「クォーター(1/4)」が連想されるし,"quinary"は「クィンテット(五重奏)」,"septenary"と"octonary"は「セプテンバー(9月)」や「オクトーバー(10月)」との関連が思い浮かぶ。9月と10月は,元々7月,8月のことだったので,「september」には7を表す「sept-」が付いているのである。

面白いのは,「12番目の」があるのに,「11番目の」がないところ。何かきっと謂われがあるのだろうなぁ。やっぱり奥が深い。


フランス語は独学だけど... [言葉]

WOWOWの全仏オープン中継の試合の合間に,WOWOWアナウンサーの中島そよかさんが,全仏にまつわる調べものをしてきて,それを紹介する「そよかの調べ」という微妙な感じのコーナーをやっている。中島アナはここ数年,エキサイト・マッチを担当しているので,馴染みがある。昨日は"Roland Garros"という会場名の由来を紹介していた。フランスの英雄的な空軍パイロットの功績を讃えて,その名前をつけたそうだ。そして今日は,偶然にも私が昨日取り上げた,「フランス語によるスコアの読み方」。

確認のつもりで,期待して見ていたのだが,これがちょっと首を傾げたくなるようなお粗末さ。私がしたように,カタカナでフランス語の発音を表していたのはよいのだが,"zero"が「ゼフォ」? そりゃ,フランス語の"r(エール)"の発音を日本語で表すのは無理があるけど,"ro"を「フォ」なんて表すのは初めて見た。音としては近いといえないこともないけど,「フォ」だと"fo"と誤解する人もいるだろうし,ちょっと感心できない。本当の発音をちゃんと説明した上でならいいけどねぇ。

そのほか,"trente(30)"は「トラン」となっていて,最後の「ト」が抜けてたし,「ゼフォ」に倣えば「トファント」とすべきじゃないのか? また,"40 all"の"quarante-à"は,確か"quanta"と書かれていて,綴りまで出鱈目。その場に,フランス人のフローラン・ダバディがいるにも関わらず,このクォリティの低さは何? 仮にも日本の代表的な有料放送局なんだから,もうちょっとちゃんとして欲しいですな。スタッフにだって,1人くらい,大学でフランス語取った奴がいるだろうに。数字なんて,基本中の基本でしょ。

まぁ,TVなんて所詮この程度のものか。そんな訳だから,よい子はくれぐれもTVの言うことを鵜呑みにしないように。


虎落笛 [言葉]

広辞苑 第六版 for ATOK
広辞苑 for ATOK。やっぱりこいつを買わないといけないか?!

週末は割と暖かかったのに,今日は急に寒くなって,昼には空から無数の霰までがぱらぱらと。傘に当たって耳には軽快な霰も,折からの強い風で顔に吹き付けられては痛いばかり。気温の変化が激しすぎて,体調を崩してしまいそうだ。明日からはもう3月だというのに。

土日は陽気がよかったので,部屋の空気を入れ換えようと窓を開けていたのだが,これまた凄い風が吹き込んで来て,窓のサッシの隙間や網戸を通る時にヒューヒューと悲鳴のような音が鳴ってうるさい。

ふと「もがり笛」という言葉を思い出した。先日の「相棒」の中で初めて聞いた言葉だ。冬に吹く激しい風が,竹垣や柵などの細い隙間をすり抜ける際に立てる,笛のような音のことをいうのだそうだ。「もがり」とは,漢字で「虎落」と書く。古く中国で,虎を除けるために立てられた竹の柵とのこと。竹の皮はつるつるしているので,虎でも登って来れないということらしい。「虎落笛」は冬の季語。冬の寒さの厳しさと淋しさを忍ばせる,風情のある言葉だ。もっとも,同じ風が立てる音でも,サッシではちと興趣を削ぐか。

「相棒」の中の話によれば,刑務官や受刑者が俳句を詠む際,狭いところに押し込められた人が上げる悲鳴に擬えて使われることが多いそうだ。なるほど。なかなか文学的な話である。

因みに,「虎落」は,ATOK 2011でもMS-IMEでも,Google IMEでも変換できなかった。まぁ,当て字だし,滅多に使う表現でもないから仕方ないかな。それはさて置くとしても,ATOKは,2011にしてからますますバカになってしまったような気がする今日この頃。


OKミステリー [言葉]

「OK」っていう言葉は,USの人との会話やメール等で割と頻繁に使用されるのだが,これってそもそもどういう言葉なんだろう。アルファベットそのまま,オー・ケーと読むのだから,普通の単語というより,省略語と考えるのが自然そうだ。でも,OとKで始まる英単語の組み合わせって,ちょっとピンと来ない。あるいは,ラテン語っていうのもありがちである。

ということで,家にあるMerriam-Websterの辞書を引いてみると,"oll korrect"の省略形だと載っていた。何それ,英語? ってなもんだが,実はこれ"all correct"の綴り違いらしい。直訳すると,「全て正しい」。で? ますますよく分からない。

そこで今度はWikipedia。「OK(表現)」のページの解説は,結構長い。たった2文字の言葉なのに,奥が深いんだねぇ。初めて使われたのは,1839年なのだそうだ。確かに,Merriam-Websterにも1839年って書いてある。しかし,そもそもなんで,"all correct"を"oll korrect"と書いたのかが分からない。うっかり間違えるような綴りではないし,そもそも"k"で始まる単語が少ないからね。日本人の私が見ても,違和感を感じる。勿論,ちゃんとした教育を受けていない人,もともと英語が母国語ではない人,などが書き間違えたと言うことはあるのかも知れないけど,それを揶揄しているのだとすると,差別とか別の微妙な問題が絡んできそう。あるいは,言葉遊びとしてわざと違う綴りで書いたのか? それの一体どこが面白いのか,ってことになると,ネイティブではない私には分からないセンスなのだろう。"all"="oll"に限って言えば,筆記体で書いたときに,"a"が"o"に見えたってのもあるかも。向こうの人の手書きの文字って,読みにくいものねぇ。

いずれにしても,もはや真実は誰にも分からない,ミステリーになってしまっているようだ。初めて使った人に話を聞いて,そこから辿って行くしかなさそう。タイムマシンが出来ないと無理ですな。

しかし,綴り間違いをさらに省略形にしてしまったら,それはもはや暗号である。何故それが流行って,定着し,さらには全世界に広まってしまったのか,この辺りも日本人には分からないセンスなんだろうか。まぁ,意外と「暗号」ってのはいい線なのかも知れないけど。日本の若者の間で流行る,おじさんには分からない変な省略語と同じ感覚? そういうのって,拡がるの速いものね。


prepone [言葉]

今日USの人とchatしてたとき,「ミーティングが前の日に"prepone"された」という表現が出てきた。コンテキストから,"prepone"が「前倒し」という意味なのは分かったし,"postpone"(延期)の"post-"と"pre-"が対になっているのだな,と納得して,そんな単語もあったんだ,と辞書を引いてみたら載っていない。おや,と思ってググッてみたところ,Urban Dictionaryというサイトに,次のように書かれていた。

Has been in use in urban English spoken in India since at least the 1950s

ふ~ん,1950年代からインドで使われていた単語なのか。確かに,chatの相手もインド系の人だしなぁ。と,妙に感心してしまった次第。インドでは地方によって言語が様々に違うので,共通言語として,準公用語の英語を使う人が多いらしい。まぁ,英連邦の一部だったせいなのだろうけど。そして,自分たちの言語として独自の発展をしたというわけか。英語はUKやUSのものだけではないんだねぇ。


こんにちは,ございます [言葉]

昨晩は,USから出張で1週間こっちに来てる人たちのための,接待(?)宴会。参加者は日本人の方が多いとはいえ,当然全編英語ということになるので,果たして間が持つのか心配だったが,意外と盛り上がってなかなか楽しい宴会だった。日頃メールや電話だけのやりとりで,今ひとつキャラが分からなかった人も,結構明るくて気さくな人だってことが分かったり,どんなに通信手段が発達しても,直接会って話すってのは重要ですな。ってのは毎度感じることだけど,本当にそう思った。

普通の会話はブロークンな英語でもそれなりに通じるのだが,難しいのは料理の説明。魚や野菜の名前とか,普段使わない単語ばかりだものねぇ。そのものズバリの単語が分からないので,なんだか英英辞典のような説明になってしまったり。

ところで,朝の挨拶の「おはようございます」には「ございます」がつくのに,何故昼と夜の「こんにちは」,「こんばんは」にはつかないのか,と訊かれて困った。「ございます」は,丁寧に言うための言葉なのだ,とは説明したのだが,では「こんにちは」の場合は? というわけだ。「今日はお日柄もよろしく」とかの略で「こんにちは」になったってことだから,丁寧に言うも何もないということ? だから芸能界とかだと,一日中「おはようございます」って言うのだろうか。いずれにしても,外国の人には説明しづらいし,理解しづらいだろうね。

それにしても,最近会った人は,みんな結構器用に箸を使うのでびっくり。箸もWorld-wideにメジャーな食器になってきたという事なのだろうか。


ズドゥラーストゥヴィチェ [言葉]

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)
岩波文庫版,ドストエフスキーの「罪と罰」。これを翻訳されているのが江川先生。

友人が観光でロシアに行くというのに刺激されて,何年振りかに某放送協会のTVロシア語会話のテキストを引っ張り出してみた。2004年10月だって。もうそんなに経っていたとは。このblogを始めるよりだいぶ前ですな。ダニエル・カールとさとう珠緒ちゃんが出てたんだねぇ。

なぜロシア語かと言えば,若干英語のアルファベットに似ているようで,読み方が全く違う奇妙な文字が読めたら格好いいな,というのと,高校時代からB.フリーマントル氏の小説で,ロシア(当時はソ連)に興味を持っていた,というのが主な理由。ジェルジンスキー・スクェア(今はルビヤンカというのかな)に行って,KGB(現FSB)の建物を見てみたいな。GUMで買い物もしてみたい。それとまぁ,少し言語オタク的なところがあるのも事実だけど。当時,中国語と韓国語とロシア語とアラビア語を同時に勉強するという無謀な試みをしていて,それがロシア語とアラビア語で挫折した最大の原因だったと思われる。

しかし,改めてテキストを見返してみると,やっぱりアルファベットを覚えるのが難しい。特に後ろの10文字くらい(Ц~Э)が頭に入らない。32番目のЮはSharapovaのお父さん,ユーリさんの「ユ」の部分,33番目のЯはマリヤの「ヤ」の部分だと言うことは辛うじて覚えたけど。大学入学したての頃,ロシア語はアルファベットさえ覚えれば前期の単位がもらえる,という噂があったけど,さもありなんという感じだ。因みに先生は,あの有名な江川卓(元読売の投手ではない。名前の読み方は「たく」)氏で,そこそこ文学少年(? でミーハー)だった私は,ちょっと心そそられたのだけど,結局リスクの少ないドイツ語に流れてしまった軟弱ものである。

文字は書いて覚えるのが一番だと思うのだけど,ロシア語で使っているキリル文字には,どう書くべきなのかちょっと見当の付かないものがある。ДとかЖとか。特に前から気になっているのはД。ネットでいろいろ調べたのだけど,筆記体はあっても,ブロック体の書き方がどこにもみつからない。日本語のように書き順みたいなものはなくて,形さえ合っていれば好きなように書いてよい,ということらしいのだけど,そもそも画の構成すらよくわからない。これが解明できなかったのが,ロシア語への熱を急速に失った直接の原因だったような気もする。WindowsのMS Pゴシックのフォントで見てみると,Лの下に背の低いПがくっついているようにも見えるけど,そういう理解でいいのかな。

自分でロシアに行く機会は当分なさそうだが,テニスやボクシングの選手の名前とか,小説で見知ったロシアの地名とかを原語で読めるのは楽しいので,今回は読みの基本くらいまではなんとか到達したいところである。ところで,私の環境で日本語Wikipediaの「マリア・シャラポワ」の項目を見ると,"Шарапова"の後ろから2文字目の「в」が「б」のように表示される。フォントがおかしいのかと思ったが,調べてみると,「в」は筆記体だと英語の「b」のようになり,「б」の方は「d」に近い形になるようだ。フォントの字形はそれに基づいたものなんだろう。因みに「в」は英語の「v」に相当し,「б」は「b」に相当する。うーむ,紛らわしい。

友人は,旅行前に特にロシア語を勉強していくつもりはないようだったが,「ありがとう(СпасИбо/スパシーバ)」の他に,「トイレはどこですか?」だけは覚えていきたいと話していた。これは確かに重要だよねぇ。英語は通じなそうだし。2004年12月号のテキストによれば,"Где туалет(グヂェー トゥアリェート)"というんだそうな。カタカナ発音で通じるのか知らないけど...。


レピータ? リピータ? [言葉]

BB Watchに,「UQがWiMAX省電力レピータ導入」という記事が載っていた。

ってか,「レピータ」って何? 「リピータ(repeater)」のこと? と思って,ググってみたら,結構「レピータ」っていう単語が引っ掛かる。もしかして,規格化された正式なカタカナ表記なのだろうか。うーむ。発音記号「ri」を「レ」と読むのか。なんかお粗末だ。じゃぁ,「リラックス」は「レラックス」? ってことは,「リラックマ」じゃなくて「レラックマ」か。で,「リリース」じゃなくて,「レリース」? そういえば,カメラなんかで「レリーズ」とか言いますな。「リモート」じゃなくて「レモート」。なら「リモコン」じゃなくて「レモコン」になっちゃう。

英語を正確にカタカナ表記するのは無理だとしても,もう少し近いものにしてもらいたいもんですな。しかも,IT業界なんだから。なんか明治以来のカタカナ英語みたい。アメリカ人は発音に寛容だから,通じないことはないのかも知れないけどねぇ。

考えてみれば,日頃よく使ってる「レビュー」って単語も,これに照らすと「リビュー」になるわけだ。あまり馴染み過ぎて気付かなかった。カタカナ英語蔓延の弊害だ。USとの電話会議の時に,ちゃんと「リビュー」って発音してたっけか。


耐熱加工 [言葉]

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件の「ツヤグラアイロン」
楽天でも売ってんのかこれ...

さて,「気になる日本語」のコーナーで~す!

先日のDJ OZMAの「世襲」発言に引き続いて,今回取り上げるのは「耐熱加工」。BS-iとかを見てると,やたらと目にすることの多い,プライム・ショッピングの「ツヤグラ・アイロン」の通販CM。気になるのは,この商品の機能でも,「ツヤグラ」なんていう頭の悪そうな安っぽい略語でも,初めて見る有名モデル「武田真理子」さんでもなくて,「耐熱加工」。CMのナレーターが滔滔とまくし立てる宣伝文句の中で,「ロッドに耐熱加工を施してあるから,手で触っても熱くな~い!!」...って,ヲイヲイ。耐熱加工っつーのは,そのパーツそのものが高温にさらされてもいかれちまわないようにするための加工でやんしょ? 「~から」って言われたって,耐熱加工」と「熱くならない」の間には,直接的になんの因果関係もないんだけど...。耐熱加工の副作用的には,そういうことがあってもおかしくはないが,少なくともこの日本語はおかしい。こういうの気になって仕方ないんだよねぇ。早く終わんないかな,このCM。

それにしても,通販CMだの通販番組だのって,まことわざとらしい商品礼賛のオンパレード。何となく新興宗教の勧誘に似てないか? あんなの聞いて,まるごと鵜呑みにする視聴者なんて...いるんだろうな。マイナー商品が多くて,ネットでもあまり情報集まらないだろうし,ああいうの買うのは賭けに近いと思うんだけど,宝石類とか驚くほど高いのが結構売れてるみたいで驚く。変なイントネーションで,遠慮がちに「じゅうきゅうまんはっせんえ~ん」って言うおじさんのやつとかさ。

USの通販番組みたいに,商品に興味がなくてもつい見てしまうような寸劇仕立てなら面白いのに,日本じゃ流行らないんだろうか。考えてみたら,今の日本には,シットコムすらないもんね。


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